トム・クルーズとケヴィン・ベーコン!2人の豪華俳優が対決する法廷サスペンス映画『ア・フュー・グッドメン』
- 2017/06/22
- 00:53
堅苦しいテーマのようで、食わず嫌いなく観てみれば、実はハマる法廷サスペンス映画。
多くの作品において、クライマックスシーンには人物たちの台詞のぶつけ合いのみによって展開される、正に弁論の格闘戦は本当にアツくて見応えあります!
以前にその法廷サスペンスとホラーを合わせた、実話を基にした映画『エミリー・ローズ』について述べました(→記事参照)。
今回とりあげる作品は、実話でもなくホラーとも全く無関係ですが、シンプルに法廷映画の傑作と言える90年代に製作されたこちらです。
『ア・フュー・グッドメン』(1992年 監督:ロブ・ライナー 出演:トム・クルーズ、デミ・ムーア、ケヴィン・ポラック、ジャック・ニコルソン、キーファー・サザーランド、ケヴィン・ベーコン 他)


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【あらすじ】──キューバにあるグアンタナモ米海軍基地で、海兵隊員ウィリアム・T・サンティアゴ一等兵(マイケル・デロレンツォ)が殺害される。
被疑者は同じく海兵隊員のハロルド・W・ドーソン上等兵(ウォルフガング・ボディソン)とローデン・ダウニー一等兵(ジェームズ・マーシャル)の二人。
彼らの弁護人にダニエル・キャフィ中尉(トム・クルーズ)、ジョアン・ギャロウェイ少佐(デミ・ムーア)、サム・ワインバーグ中尉(ケヴィン・ポラック)が任命される。
サンティアゴの殺害には、基地の総司令官ネイサン・R・ジェセップ大佐(ジャック・ニコルソン)が発令した、規律を乱す者への暴力的制裁「コードR」が関わっていた。──
まずはこのキャストが豪華ですね。
主演のトム・クルーズはもちろんのこと、軍服姿がなんとも美しいデミ・ムーア。
迫力ある総司令官の役にジャック・ニコルソン、そして海兵隊員の小隊長としてキーファー・サザーランドという脇の固めようです。
さらにクライマックスでトム・クルーズ扮する弁護人ダニエル・キャフィと裁判で対決する検察官ジャック・ロス大尉の役にはケヴィン・ベーコンです。
この、トム・クルーズとケヴィン・ベーコンが劇中で弁論しあうシーンが最終的にこの作品の最大の見所でしょう。
厳格で、しかし過剰とも言える軍隊内の弱者に対する暴力的制裁。
被疑者は「命令に従っただけ」「軍の規律を守るため」と主張します。
被疑者の正統性をあげ、無罪に持ち込もうと必死に戦う3人の弁護人の視点で描かれたストーリーですが、ここでは検察官役のケヴィン・ベーコンのほうが正義に思えてきますね。
そしてやはり検察側が有利に思えてきます。
しかし、ここは法廷。
より冷静な視点から──ときには冷徹とさえ思えてくるほどに公平な視点から被疑者を取り扱わなければならないわけです。
ギリギリの形勢からの反論、さらに反論に対する反論。
このせめぎ合いを追っているうちに、気がつけば夢中で作品の世界にどっぷり浸かりこんでしまいます。
しかもそれをトム・クルーズとケヴィン・ベーコンという組み合わせでやる贅沢!
2人の大物俳優がそれぞれ弁論を交わすたびに、いちいちアップで映るのですから。
法廷映画多しといえど、ここまでアツい配役はなかなかないでしょう。
イーサン・ハントやジャック・リーチャーとして派手なアクションを見せるトム・クルーズも好きですが──
そして『コップ・カー』でどこか間抜けな保安官を演じているケヴィン・ベーコンも好きですが──
こんなひたすら"言葉"を駆使したシーンで、2人の個性がぶつかり合うのも、観る者を飽きさせません。
さて、先ほど軍服姿が美しいと述べたデミ・ムーアですが、──
1990年の『ゴースト/ニューヨークの幻』ではショートカットでウブなイメージを醸し出していましたね。
1997年の『G.I.ジェーン』ではそれこそ丸刈りという衝撃的なルックスで、男並みのたくましさを発揮した役でした。
そんな彼女は、もとは知的な顔立ちで、それでいてグラマーな肉体をしていることで、80年代から注目を浴びてきた女優です。
本作『ア・フュー・グッドメン』でもその美貌が軍服で隠しきれていない。
いや、むしろその服装が見事に映えています!
階級は少佐という人物像で、やはり知的で強い女性というイメージそのものです。
トム・クルーズが演じている少年のような人物像のそばで、これがまた絶妙なバランスの図となっています。

劇中ではジャック・ニコルソン扮するジェセップ大佐が、セクハラとも皮肉ともとれるような言葉を彼女の前で発します。
しかし、素直に羨望の意味もあるのかもしれません。
私もこんな「少佐」と呼べるような女性が近くにいたらなと思います。
(攻殻機動隊なら自分はバトーのポジションがいいか…)
そんな妄想はさておき、裁判大国アメリカを感じさせる法廷サスペンスというジャンルですが、アクション映画のような起伏はないのにアクション映画並みに盛り上がれるのは私だけでしょうか。
法律関連の難しい台詞もありますが、それらも理解したうえで内容についていけたら気持ちいいものです。
137分というやや長めの上映時間であるこの『ア・フュー・グッドメン』は、それだけの時間をかけてじっくり味わうだけの濃厚な味のある名作と言えます。


ア・フュー・グッドメン (字幕版)[→Prime Video]
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多くの作品において、クライマックスシーンには人物たちの台詞のぶつけ合いのみによって展開される、正に弁論の格闘戦は本当にアツくて見応えあります!
以前にその法廷サスペンスとホラーを合わせた、実話を基にした映画『エミリー・ローズ』について述べました(→記事参照)。
今回とりあげる作品は、実話でもなくホラーとも全く無関係ですが、シンプルに法廷映画の傑作と言える90年代に製作されたこちらです。
『ア・フュー・グッドメン』(1992年 監督:ロブ・ライナー 出演:トム・クルーズ、デミ・ムーア、ケヴィン・ポラック、ジャック・ニコルソン、キーファー・サザーランド、ケヴィン・ベーコン 他)

【あらすじ】──キューバにあるグアンタナモ米海軍基地で、海兵隊員ウィリアム・T・サンティアゴ一等兵(マイケル・デロレンツォ)が殺害される。
被疑者は同じく海兵隊員のハロルド・W・ドーソン上等兵(ウォルフガング・ボディソン)とローデン・ダウニー一等兵(ジェームズ・マーシャル)の二人。
彼らの弁護人にダニエル・キャフィ中尉(トム・クルーズ)、ジョアン・ギャロウェイ少佐(デミ・ムーア)、サム・ワインバーグ中尉(ケヴィン・ポラック)が任命される。
サンティアゴの殺害には、基地の総司令官ネイサン・R・ジェセップ大佐(ジャック・ニコルソン)が発令した、規律を乱す者への暴力的制裁「コードR」が関わっていた。──
まずはこのキャストが豪華ですね。
主演のトム・クルーズはもちろんのこと、軍服姿がなんとも美しいデミ・ムーア。
迫力ある総司令官の役にジャック・ニコルソン、そして海兵隊員の小隊長としてキーファー・サザーランドという脇の固めようです。
さらにクライマックスでトム・クルーズ扮する弁護人ダニエル・キャフィと裁判で対決する検察官ジャック・ロス大尉の役にはケヴィン・ベーコンです。
この、トム・クルーズとケヴィン・ベーコンが劇中で弁論しあうシーンが最終的にこの作品の最大の見所でしょう。
厳格で、しかし過剰とも言える軍隊内の弱者に対する暴力的制裁。
被疑者は「命令に従っただけ」「軍の規律を守るため」と主張します。
被疑者の正統性をあげ、無罪に持ち込もうと必死に戦う3人の弁護人の視点で描かれたストーリーですが、ここでは検察官役のケヴィン・ベーコンのほうが正義に思えてきますね。
そしてやはり検察側が有利に思えてきます。
しかし、ここは法廷。
より冷静な視点から──ときには冷徹とさえ思えてくるほどに公平な視点から被疑者を取り扱わなければならないわけです。
ギリギリの形勢からの反論、さらに反論に対する反論。
このせめぎ合いを追っているうちに、気がつけば夢中で作品の世界にどっぷり浸かりこんでしまいます。
しかもそれをトム・クルーズとケヴィン・ベーコンという組み合わせでやる贅沢!
2人の大物俳優がそれぞれ弁論を交わすたびに、いちいちアップで映るのですから。
法廷映画多しといえど、ここまでアツい配役はなかなかないでしょう。
イーサン・ハントやジャック・リーチャーとして派手なアクションを見せるトム・クルーズも好きですが──
そして『コップ・カー』でどこか間抜けな保安官を演じているケヴィン・ベーコンも好きですが──
こんなひたすら"言葉"を駆使したシーンで、2人の個性がぶつかり合うのも、観る者を飽きさせません。
さて、先ほど軍服姿が美しいと述べたデミ・ムーアですが、──
1990年の『ゴースト/ニューヨークの幻』ではショートカットでウブなイメージを醸し出していましたね。
1997年の『G.I.ジェーン』ではそれこそ丸刈りという衝撃的なルックスで、男並みのたくましさを発揮した役でした。
そんな彼女は、もとは知的な顔立ちで、それでいてグラマーな肉体をしていることで、80年代から注目を浴びてきた女優です。
本作『ア・フュー・グッドメン』でもその美貌が軍服で隠しきれていない。
いや、むしろその服装が見事に映えています!
階級は少佐という人物像で、やはり知的で強い女性というイメージそのものです。
トム・クルーズが演じている少年のような人物像のそばで、これがまた絶妙なバランスの図となっています。

劇中ではジャック・ニコルソン扮するジェセップ大佐が、セクハラとも皮肉ともとれるような言葉を彼女の前で発します。
しかし、素直に羨望の意味もあるのかもしれません。
私もこんな「少佐」と呼べるような女性が近くにいたらなと思います。
(攻殻機動隊なら自分はバトーのポジションがいいか…)
そんな妄想はさておき、裁判大国アメリカを感じさせる法廷サスペンスというジャンルですが、アクション映画のような起伏はないのにアクション映画並みに盛り上がれるのは私だけでしょうか。
法律関連の難しい台詞もありますが、それらも理解したうえで内容についていけたら気持ちいいものです。
137分というやや長めの上映時間であるこの『ア・フュー・グッドメン』は、それだけの時間をかけてじっくり味わうだけの濃厚な味のある名作と言えます。

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