ハリウッドリメイクもされた日本製ホラーの傑作! 呪怨シリーズ
- 2016/04/16
- 04:00

『リング』シリーズとならぶ日本のホラーの代表的作品で、オリジナルの監督は清水崇さんです。
2003年に劇場公開されましたが、それ以前の1999年にビデオで出ていた作品が始まりです。
その後、2000年にはビデオ版のパート2が出ています。
そう言えばメディア媒体が少しずつDVDに移りつつ、まだビデオテープが主流だった頃ですね。
私は劇場版をDVDで観た後にビデオ版が先に出ていたことを知りました。

──大学時代に小林俊介という同級生に片思いしていた川又伽椰子は思いを日記に綴りながらストーカー行為にまで走っていた。
その後、佐伯剛雄との間にできた息子、俊雄の通う小学校で小林俊介が教師になっていたことを知り、思いが再燃し再び日記を綴り始める。
夫の剛雄がその日記を見つけてしまい嫉妬の念にかられ、伽椰子に暴力を振るい始めついに殺害してしまう。──
劇中に現れる霊は伽椰子の怨霊で息子の俊雄は霊になった伽椰子によってあの世に連れていかれたらしい。

その怨念が家に蓄積され、後にその家に関わった者たちが殺されていくという話は知っていましたが、伽椰子の大学時代からの異常さまで描かれているところが興味深いです。
さらには嫉妬に狂った夫の剛雄が伽椰子、そして小林俊介との間にできた子を身ごもっていた俊介の妻を殺害し、胎児まで取り出すという恐ろしい描写、殺された伽椰子が悪霊になるまでのいきさつが描写されています。
劇場版で中心に描かれていたのが霊そのものの恐怖で、ビデオ版はそれ以前の人間の怖さがよく描かれています。
何せシリーズ通して出てくるノートに綴られた日記の内容がとにかく異常なんです。
余談ですがこのビデオ版ではすごく若い頃の栗山千明が見られます。
そしてVHSの頃の作品で、DVDでリリースされたとはいえ画質は決して良くないことや、登場人物が使っている携帯電話から、なんだか時代を感じます。
それにしてもこの"Vシネマ"だった頃の作品が劇場版に発展し、ついには『死霊のはらわた』シリーズや『スパイダーマン』シリーズの監督であるサム・ライミさんのプロデュースのもと、ハリウッドリメイクまでされたことは改めて日本製ホラーの誇らしさを感じます。
また、日本国内においてもそれぞれ別の監督により、派生作品やリブート作品も制作されています。
ハリウッド版3作目である『呪怨 ザ・グラッジ3』では日本の劇場版にはなかった、伽椰子の幼少時代にさかのぼった過去の背景までが描写されているところがおもしろいです。(※こちらはサム・ライミさんは製作に携わっておらず、劇場公開なしのDVDスルー。清水崇さんは監督ではなく製作総指揮とあります。)

清水崇さん本人は日本のオリジナルではこの設定は使わなかったが、ハリウッド版ではアメリカの製作者サイドの要望でこの設定を採用したそうです。
イタコである伽椰子の母がアメリカ人の主人公と普通に英語で話すシーンも含め、やや強引な設定もハリウッド版では見受けられるが、ストーリーとしてはさらに深みを持たすことができています。

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