イタズラからトンデモな展開になるスリラー映画『グッド・ネイバー』&『ドント・ハングアップ』
- 2017/08/17
- 01:25
昔からアメリカの映画によく登場するおバカな行動に走る若者たち。
だいたい近年の、B級とまではいかないけど大作でもないホラー映画やスリラー映画で、そういうのを見かける気がします。

そんな最近観た作品を以下に2つ取り上げてみます。
まずはこちら──
『グッド・ネイバー』(2016年 監督:カスラ・ファラハニ 出演:ジェームズ・カーン、ローガン・ミラー、キーア・ギルクリスト 他)


グッド・ネイバー [DVD][→Amazon]
【あらすじ】──近所に1人で暮らす孤独な老人の家に、複数台のカメラやドッキリな仕掛けをし、反応を見て楽しむショーンとイーサン。
突然音楽が流れたり、ドアがひとりでに開閉したりといった仕掛けを作動させるが、老人は驚く様子を見せない。
そんな老人の家には謎の地下室があった。──
このジジイ、かなりヤバい
と、こんなキャッチコピーはたぶん少々おおげさに言ってるんだろうなと見ていました。
そして内容を観てみると、やっぱりと言うべきか、思ってた以上に的外れなキャッチコピーです。
それにしても!
思わぬ展開に向かうラストには良い意味でだまされました。
良い意味でと言っても、ただただ悲しくなってきます。
老人がどういう人であれ、最初からこの若者2人はホント、酷いヤツらです。
そして相手が老人だろうが何者であろうが、全くもって趣味の悪い嫌がらせです。
そんな様子を思わずこっちはスリリングな気分で見届けてしまうのですが、そこからのこのラストは確かにウマい!と思わされました!
ウマいと言っても、そう、やっぱり悲しいですよ、これは…
内容からして正確には"イタズラ"というよりはドッキリな"実験"ということなんですが、──
家に忍び込んであちこちカメラを仕掛けたり、一番凝ってるなと思わされたのはあの窓ガラスが割れる細工。
あんなのであんなことができるんだな!
そして部屋に並べた数台のパソコンでモニターを映して様子を見ると、カネかけてるな~。
って、その前におい!アンタら、不法侵入だぞ!
そしてどういう人かもよく確かめずにむやみにイジメちゃいけません!
で、状況がめんどうなことになって、仕掛人側が追いつめられ、ここから2人が対立しだすというあるあるなパターンです。
さて、老人役のジェームズ・カーンは『ゴッドファーザー』で有名ですが…おっと、私はまだあのシリーズを観たことがありません。
個人的にピンとくる彼の出演作品は、スティーヴン・キングの小説を映画化した『ミザリー』ですね。
何気にテレビで放送されたのを観たことがある程度の記憶ですが、あの女コワッと思いながら観ていました。
そしてその女に痛い目にあわされまくるあの小説化の役がジェームズ・カーンだったんですね。
そうだ!思い出してみれば確かにこの顔は同じ人だ。

『ゴッドファーザー』シリーズもそうですが、『ミザリー』などの彼の出演作品を観たうえでまた本作を観たら、この孤独な老人も違った印象で見えてきそうですね!
そして今回取り上げる作品の2つ目がこちら──
『ドント・ハングアップ』(2016年 監督:ダミエン・マセ、アレクシ・ワジブロア 出演:ジャック・ベネット・アンダーソン、グレッグ・サルキン、ギャレット・クレイトン 他)


ドント・ハングアップ [DVD][→Amazon]
【あらすじ】──モズリーとブレイディは、イタズラ電話を楽しんでは、その様子をSNSで流していた。
ある日、謎の男から脅迫の電話がかかり、電話を切るたびに両親や友人、恋人が襲われ殺されていく。
その男は二人を知る者なのか…。
モズリーとブレイディは電話の男に追いつめられ狂わされていく。──
2人のイケメン俳優が演じていますが、いい感じにおバカな奴らです。
これこそ本当にイタズラなのですが、それをSNSに流すというところがまた悪質です。
その挙げ句に恐怖に陥れられるわけですからざまあみろ!
っと言ってもそれで巻き添えくらってる周囲の者たちかわいそうです。
そう、この電話越しで脅迫してくる男も憎しみがこもっていて、これまたかなりヤバいです!
主人公2人に負けず、いやそれ以上に犯罪レベルですね。
いい具合にハラハラさせられる、精神を削られるような展開は正にシチュエーションスリラーの色を醸しています。
始めは強気な姿勢の2人がジリジリと追いつめられ悪夢へと移り変わる様は、オーソドックスながら次はどうなる?次はどうくる?と見届けてしまい、退屈させません。
ただ、あのシリアスな冒頭のシーンからのラストへのつなぎは、あまりにわかりやすくて落胆します。
なんだ、結局そういうことだったのね、と。
このわかりやすさは、観る人をだますつもりであえて狙ったものなのでしょうか。
犯人の手口がよく計算されていて、ややできすぎている気がしますが、そんなラストを見せるための、あの冒頭からのシーンといえるでしょう!
こちら主演のグレッグ・サルキンとギャレット・クレイトンはそれぞれ『ウェイバリー通りのウィザードたち』『ティーン・ビーチ・ムービー』といったディズニー・チャンネルのドラマや映画に出演していたとのことですが、私はあいにくそちらはさっぱりです…。


しかし、またどこか別の映画などで見かけることがあるかもしれません。
ディズニー作品の明るくてピュアな世界とは無縁のズタズタになっていく役で本作では共演しています。
さあ今回は2つ取り上げましたが、両作品ともそこまで目新しさを感じるスゴい作品というわけではありません。
しかし、ハラハラさせられる展開や思わぬ結末はなかなかのもので、サクッと肩をラクにして楽しめる分には良い作品たちです。
劇中のグレッグ・サルキンとギャレット・クレイトンのようにピザでも注文して食べながら、休日にくつろいで観るのには持ってこいでしょう。
ただし、近所の家あてにイタズラでピザを注文するようなバカなマネはしないように!


グッド・ネイバー(字幕版)[→Prime Video]


ドント・ハングアップ(字幕版)[→Prime Video]
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だいたい近年の、B級とまではいかないけど大作でもないホラー映画やスリラー映画で、そういうのを見かける気がします。

そんな最近観た作品を以下に2つ取り上げてみます。
まずはこちら──
『グッド・ネイバー』(2016年 監督:カスラ・ファラハニ 出演:ジェームズ・カーン、ローガン・ミラー、キーア・ギルクリスト 他)

【あらすじ】──近所に1人で暮らす孤独な老人の家に、複数台のカメラやドッキリな仕掛けをし、反応を見て楽しむショーンとイーサン。
突然音楽が流れたり、ドアがひとりでに開閉したりといった仕掛けを作動させるが、老人は驚く様子を見せない。
そんな老人の家には謎の地下室があった。──
このジジイ、かなりヤバい
と、こんなキャッチコピーはたぶん少々おおげさに言ってるんだろうなと見ていました。
そして内容を観てみると、やっぱりと言うべきか、思ってた以上に的外れなキャッチコピーです。
それにしても!
思わぬ展開に向かうラストには良い意味でだまされました。
良い意味でと言っても、ただただ悲しくなってきます。
老人がどういう人であれ、最初からこの若者2人はホント、酷いヤツらです。
そして相手が老人だろうが何者であろうが、全くもって趣味の悪い嫌がらせです。
そんな様子を思わずこっちはスリリングな気分で見届けてしまうのですが、そこからのこのラストは確かにウマい!と思わされました!
ウマいと言っても、そう、やっぱり悲しいですよ、これは…
内容からして正確には"イタズラ"というよりはドッキリな"実験"ということなんですが、──
家に忍び込んであちこちカメラを仕掛けたり、一番凝ってるなと思わされたのはあの窓ガラスが割れる細工。
あんなのであんなことができるんだな!
そして部屋に並べた数台のパソコンでモニターを映して様子を見ると、カネかけてるな~。
って、その前におい!アンタら、不法侵入だぞ!
そしてどういう人かもよく確かめずにむやみにイジメちゃいけません!
で、状況がめんどうなことになって、仕掛人側が追いつめられ、ここから2人が対立しだすというあるあるなパターンです。
さて、老人役のジェームズ・カーンは『ゴッドファーザー』で有名ですが…おっと、私はまだあのシリーズを観たことがありません。
個人的にピンとくる彼の出演作品は、スティーヴン・キングの小説を映画化した『ミザリー』ですね。
何気にテレビで放送されたのを観たことがある程度の記憶ですが、あの女コワッと思いながら観ていました。
そしてその女に痛い目にあわされまくるあの小説化の役がジェームズ・カーンだったんですね。
そうだ!思い出してみれば確かにこの顔は同じ人だ。

『ゴッドファーザー』シリーズもそうですが、『ミザリー』などの彼の出演作品を観たうえでまた本作を観たら、この孤独な老人も違った印象で見えてきそうですね!
そして今回取り上げる作品の2つ目がこちら──
『ドント・ハングアップ』(2016年 監督:ダミエン・マセ、アレクシ・ワジブロア 出演:ジャック・ベネット・アンダーソン、グレッグ・サルキン、ギャレット・クレイトン 他)

【あらすじ】──モズリーとブレイディは、イタズラ電話を楽しんでは、その様子をSNSで流していた。
ある日、謎の男から脅迫の電話がかかり、電話を切るたびに両親や友人、恋人が襲われ殺されていく。
その男は二人を知る者なのか…。
モズリーとブレイディは電話の男に追いつめられ狂わされていく。──
2人のイケメン俳優が演じていますが、いい感じにおバカな奴らです。
これこそ本当にイタズラなのですが、それをSNSに流すというところがまた悪質です。
その挙げ句に恐怖に陥れられるわけですからざまあみろ!
っと言ってもそれで巻き添えくらってる周囲の者たちかわいそうです。
そう、この電話越しで脅迫してくる男も憎しみがこもっていて、これまたかなりヤバいです!
主人公2人に負けず、いやそれ以上に犯罪レベルですね。
いい具合にハラハラさせられる、精神を削られるような展開は正にシチュエーションスリラーの色を醸しています。
始めは強気な姿勢の2人がジリジリと追いつめられ悪夢へと移り変わる様は、オーソドックスながら次はどうなる?次はどうくる?と見届けてしまい、退屈させません。
ただ、あのシリアスな冒頭のシーンからのラストへのつなぎは、あまりにわかりやすくて落胆します。
なんだ、結局そういうことだったのね、と。
このわかりやすさは、観る人をだますつもりであえて狙ったものなのでしょうか。
犯人の手口がよく計算されていて、ややできすぎている気がしますが、そんなラストを見せるための、あの冒頭からのシーンといえるでしょう!
こちら主演のグレッグ・サルキンとギャレット・クレイトンはそれぞれ『ウェイバリー通りのウィザードたち』『ティーン・ビーチ・ムービー』といったディズニー・チャンネルのドラマや映画に出演していたとのことですが、私はあいにくそちらはさっぱりです…。


しかし、またどこか別の映画などで見かけることがあるかもしれません。
ディズニー作品の明るくてピュアな世界とは無縁のズタズタになっていく役で本作では共演しています。
さあ今回は2つ取り上げましたが、両作品ともそこまで目新しさを感じるスゴい作品というわけではありません。
しかし、ハラハラさせられる展開や思わぬ結末はなかなかのもので、サクッと肩をラクにして楽しめる分には良い作品たちです。
劇中のグレッグ・サルキンとギャレット・クレイトンのようにピザでも注文して食べながら、休日にくつろいで観るのには持ってこいでしょう。
ただし、近所の家あてにイタズラでピザを注文するようなバカなマネはしないように!


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