動かないモノが逆に怖い!検死解剖ホラー『ジェーン・ドゥの解剖』
- 2017/11/04
- 21:13
例えば遊園地のお化け屋敷にある人形や仕掛けなんかでも、閉園後の静まり返った中で稼動していない状態の方が、動いているときよりよほど不気味で怖いのではと思います。
今回、感想を述べる映画はそんな感覚に似た怖さがあるなという印象です。

おっと!
逆さまでしたね!
こっちでした↓
『ジェーン・ドゥの解剖』(2016年 監督:アンドレ・ウーヴレダル 出演:エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス、オフィリア・ラヴィボンド 他)


ジェーン・ドウの解剖 [Blu-ray][→Amazon]
【あらすじ】──バージニア州の田舎町で遺体安置所を経営する検死官のトミー(ブライアン・コックス)と息子のオースティン(エミール・ハーシュ)。
ある日、彼らは保安官から「ジェーン・ドゥ」と呼ばれる女性の遺体の検死を以来される。
惨殺事件があった家の地下から発見されたというその遺体を検死解剖していく2人であったが、死因を解明していくとともに彼らに恐るべき怪奇現象が襲いかかる。──
☆まさに“動かぬモノ”の不気味さと恐怖!
運び込まれたのは身元不明の女性の遺体。
外傷らしきものはなく、美しいまでに白い裸体と顔がひたすらアップで映ります。

検死解剖という、検死官にとってはなんら特別ではない仕事ながら、ここはカメラワークの勝利!
ここまで死体というのをじっくり眺めさせられるとなんとも気味が悪いですね。

特に歩いて襲ってくるわけでもない。
もちろん化け物でもなんでもない人の死体。
しかしこの“動かない”という様がかえって気持ち悪いんですね!
開いたままの目は生気が宿らず、それでいて何かを語りかけてくるような見つめ方をしているようにも思えてきます。
部屋の中でこんなモノといっしょになりたくないですね。
もし1人でこんな死体と部屋でいっしょになったとしても、やりたくないこと──
それは背を向けることですね。
「もし動き出したらどうしよう」
動かない、動くはずがないモノだからこその、妄想を掻き立てられる恐怖。
“解剖”というのがまさかのここまで完成度の高い“ホラー”として成り立つとは。
新感覚のホラー映画ができあがっています!
★科学的な小細工いっさいなし!ラストまで怖がれるホラー
検死解剖を使った映画となると、最後は科学的なオチを持ってくるのかというとそうではありません、この作品。
いったい何がどうなってるのか?!
順調に死因をつきとめていくところまできても、やっぱり意味不明な怪奇現象に見舞われる2人。
遺伝子を操作して造った化け物とか、新種のウィルスに感染とか、結局そういうカラクリに落ち着いて冷めちゃうことってありますが、こちらは違います!
SFとは違い、ホラー映画はやっぱりこうこなくてはいけませんよね!
“非科学的”
“荒唐無稽”
そんな得体の知れない恐怖でとことんまでやってくれています。
女の遺体?
はい、そのままです。
しかしこの死体、なんだかおかしい。

それ自体は動かぬままでも、確かに何かが襲いかかってくる不穏な気配。
一体の死体の周囲から、科学のプロでは太刀打ちできない力が少しずつ猛威をふるいます。
静かな安置所の家が悪夢の舞台へと変貌をとげていくストーリー。


退屈させないテンポを追っていくことで、この“ほぼワンシチュエーションで展開していく作品”の“ホラー映画としての完成度”がうかがえます。
ハズレだらけのB級ホラー映画よ!いい加減にしろ!と、思っているあなた。
洋画ホラーの優秀な一面をこれで再認識してみませんか?


ジェーン・ドウの解剖(字幕版)[→Prime Video]
[→吹き替え版]
ツイッターもよろしく!↓
https://twitter.com/ongaku_eiga
今回、感想を述べる映画はそんな感覚に似た怖さがあるなという印象です。

おっと!
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こっちでした↓
『ジェーン・ドゥの解剖』(2016年 監督:アンドレ・ウーヴレダル 出演:エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス、オフィリア・ラヴィボンド 他)

【あらすじ】──バージニア州の田舎町で遺体安置所を経営する検死官のトミー(ブライアン・コックス)と息子のオースティン(エミール・ハーシュ)。
ある日、彼らは保安官から「ジェーン・ドゥ」と呼ばれる女性の遺体の検死を以来される。
惨殺事件があった家の地下から発見されたというその遺体を検死解剖していく2人であったが、死因を解明していくとともに彼らに恐るべき怪奇現象が襲いかかる。──
☆まさに“動かぬモノ”の不気味さと恐怖!
運び込まれたのは身元不明の女性の遺体。
外傷らしきものはなく、美しいまでに白い裸体と顔がひたすらアップで映ります。

検死解剖という、検死官にとってはなんら特別ではない仕事ながら、ここはカメラワークの勝利!
ここまで死体というのをじっくり眺めさせられるとなんとも気味が悪いですね。

特に歩いて襲ってくるわけでもない。
もちろん化け物でもなんでもない人の死体。
しかしこの“動かない”という様がかえって気持ち悪いんですね!
開いたままの目は生気が宿らず、それでいて何かを語りかけてくるような見つめ方をしているようにも思えてきます。
部屋の中でこんなモノといっしょになりたくないですね。
もし1人でこんな死体と部屋でいっしょになったとしても、やりたくないこと──
それは背を向けることですね。
「もし動き出したらどうしよう」
動かない、動くはずがないモノだからこその、妄想を掻き立てられる恐怖。
“解剖”というのがまさかのここまで完成度の高い“ホラー”として成り立つとは。
新感覚のホラー映画ができあがっています!
★科学的な小細工いっさいなし!ラストまで怖がれるホラー
検死解剖を使った映画となると、最後は科学的なオチを持ってくるのかというとそうではありません、この作品。
いったい何がどうなってるのか?!
順調に死因をつきとめていくところまできても、やっぱり意味不明な怪奇現象に見舞われる2人。
遺伝子を操作して造った化け物とか、新種のウィルスに感染とか、結局そういうカラクリに落ち着いて冷めちゃうことってありますが、こちらは違います!
SFとは違い、ホラー映画はやっぱりこうこなくてはいけませんよね!
“非科学的”
“荒唐無稽”
そんな得体の知れない恐怖でとことんまでやってくれています。
女の遺体?
はい、そのままです。
しかしこの死体、なんだかおかしい。

それ自体は動かぬままでも、確かに何かが襲いかかってくる不穏な気配。
一体の死体の周囲から、科学のプロでは太刀打ちできない力が少しずつ猛威をふるいます。
静かな安置所の家が悪夢の舞台へと変貌をとげていくストーリー。


退屈させないテンポを追っていくことで、この“ほぼワンシチュエーションで展開していく作品”の“ホラー映画としての完成度”がうかがえます。
ハズレだらけのB級ホラー映画よ!いい加減にしろ!と、思っているあなた。
洋画ホラーの優秀な一面をこれで再認識してみませんか?

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