地球人よ、もっと賢くなれ! ロシアのSF映画『アトラクション 制圧』
- 2018/03/07
- 22:47
このブログを書いてる時点で、Amazonのサイトを見てもDVDやBlu-rayは取り扱っていないよう。
というわけで、今のところAmazonビデオやTSUTAYAなどのレンタル、あるいは店頭で映像ソフトが売っていたらそちらが観る手段となりそうです。
『アトラクション 制圧』(2017年 監督:フョードル・ボンダルチュク 出演:イリーナ・スタルシェンバウム、リナル・ムハメトフ、アレクサンドル・ペトロフ 他)


アトラクション-制圧-(字幕版)[→Prime Video]
[→吹き替え版]
【あらすじ】──隕石雨の観測の日。
モスクワ上空に謎の球体をした宇宙船が飛来する。
軍の攻撃を受け、街を壊しながら墜落した宇宙船からは特殊なスーツで体を覆った生命体が現れる。
そのスーツの中に入っていたのは地球人と変わらぬ姿をしたヘイコンと名乗る男だった。
軍の司令官の娘ユリア(イリーナ・スタルシェンバウム)は、ヘイコンとコンタクトをとり、交流を深めていくが…。──
☆ロシアならではのスケール感と豪華スタッフによる宇宙船の造形
今に始まったことではないかもしれないけど、最近ロシア産の映画をよく目にします。
以前に複数のロシア産ホラー映画について述べたブログや、ドラゴンが登場するファンタジー映画について述べたブログをアップしました。
そしてそれらの作品を観てきて思うのは、総じてロシアの映画はスタイリッシュでクールな雰囲気なのが多いのかなといったところです。
十数本も何十本もロシア映画を観たわけではないので、一概には言えませんが、少なくとも私が観てきた作品はそういう映像世界のものが見受けられます。
そしてSFである本作もまた映像がカッコよく綺麗です。
モスクワを舞台にしているこの作品は、同じ大陸国家であるアメリカとはまた違う、やはりロシアの土地柄が表れた映像です。
広々とした土地に一軒いっけん家が並ぶのではなく、その都会の中にはデカい集合住宅がチラホラと並ぶ景色。

ここがアメリカとは違う形でのスケール感なんですね。
そしてその街の上空を球体の不思議な物体が飛来するという組み合わせは見所の1つです。
この辺りのVFXはなんらチープさを感じないすばらしいものですが、『第9地区』や『エリジウム』と、SF大作のスタッフが携わっている点で、まるまるロシア産というわけではなさそうです。
とはいえ、この宇宙船の造形は宇宙SFが好きな人ならワクワクするでしょう。
ピカピカのシルバーで曲線的な物体
これなんですよね!
本作に登場するこの球体の宇宙船は、周りにリング状の回転体があって、そこが怪しさを醸しています。
どうやってこんな回転のさせかたしてるの?
どこで本体とつながってるの?
と、疑問になります。
ジャイロスコープを思わせる形状ですね。

いかにも地球上の物じゃない感じの巨大な物体が、モスクワの中でもおそらく新興地域的な区域と言える場所に飛来する。
そんな“図”は、宇宙SFに近未来SFの要素も加わったようなカッコよさがあります!
★他作品での活躍も気になる俳優たち
漢字だらけの中国映画やハングル表記の韓国映画、その他英語圏以外の国の映画はだいたいそうなんですが、こちらロシア映画もそう…
エンドクレジット見ても見当つかない文字たち。
監督の名前、どの俳優がどの人物を演じているのかも、カタカナ表記で確認できたところで耳慣れない名前ばかりです。
そんな中でも目を惹くのがまず、主演女優のイリーナ・スタルシェンバウム。
もちろん主演なのだから目を惹くのは当たり前なんですが、ハイ、美人ですね。
初めからめちゃくちゃ美人と思わせるよりは、キリッとした目鼻立ちで、劇中の役柄も相まってだんだん美人に思えてくるといったところでしょうか。
これぞクールビューティー!
彼女の出演している作品は今のところ本作以外は確認できないですが、今後の他の作品での活躍も楽しみにしたいところですね!
そしてあのパワードスーツから現れる地球人と変わらぬ姿をした異星人ヘイコンを演じているリナル・ムハメトフ。
"Rinal Mukhametov"という綴りで検索ヒットしますが、これまた耳慣れない響きのやはりロシア人らしい名前で、日本ではまだ情報が少ない俳優さんです。
しかし、本作で地球人らしい振る舞いをしようにもぎこちない異星人を演じる彼は、すぐにでも女性のハートをつかみそうなキュートなイケメンです!
ひとまず主要な役の2人の俳優を取りあげましたが、もしかしたらハリウッド進出もありえるでしょうか。
西欧諸国の俳優がハリウッド進出する例はとっくの昔からありますが、おそらくロシア出身の俳優はまだまだ少ないでしょう。
ハリウッドでは無理でも、そうですね…、コスモポリタンな世界を描いた日本の作品があれば是非とも出演していただきたいです!
コスモポリタンな世界を描いた映画となるとたいていSF映画になるんでしょう。
なのでまずは日本でそういう映画が作られたらの話ですね。

☆ストーリーはともかくコンセプトはおもしろい!
この『アトラクション 制圧』という作品。
ストーリーはというと、特別どこかで盛り上がりがあるかといえば、そういうものではありません。
それでもおもしろいのは異星人という者の考え方。
地球外から来た得体の知れない者たちを地球人の敵として恐ろしく描いた映画、あるいは全くその逆で友好的に描いた映画はよく見かけます。
本作はというと、そのどちらでもない描き方といったところでしょうか。
あまり述べると、まだ観ていない人にネタバレになるのですが──
この作品で異星人は見た目だけでなく、ある意味物事の考え方も地球人と変わらないといえば変わらないです。
ただ、圧倒的に地球人より進んだ文明を築いていて、地球人が抱えてる問題や欠点をとっくに克服している人類と言えます。
そんな彼らの目を通して、地球人というのを見事に客観視させてくれる知的さが本作の最大の見所なんだなと思いました。
冒頭の宇宙船が飛来するところからの軍がとる行動にしても、この段階で地球人が愚かしく感じてしまいます。
どう見たってこりゃ軍のせいだろ!
と、ツッコミたくなります(笑)

もっと言えば、このシーンを通して歴史を振り返ったときに、地球人って実はかなり取り越し苦労な生き物なんだなと思い、ここに登場する地球人そっくりな異星人が羨ましく思えてきます。
ストーリーはともかくコンセプトとして、観た後に心地よい後味が残る作品です。
ところでこの作品のタイトル、原題も"ATTRACTION"のようですが、どういう意図でつけられたタイトルなんでしょう?
「引力」「引きつける物」「呼び物」
やはり地球の引力を意味しているのでしょうか?


アトラクション-制圧-(字幕版)[→Prime Video]
[→吹き替え版]
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→『ドラゴン』──ファンタジー映画にして好感度100%のラブストーリー!
→けっこうあります!ロシアのホラー映画
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というわけで、今のところAmazonビデオやTSUTAYAなどのレンタル、あるいは店頭で映像ソフトが売っていたらそちらが観る手段となりそうです。
『アトラクション 制圧』(2017年 監督:フョードル・ボンダルチュク 出演:イリーナ・スタルシェンバウム、リナル・ムハメトフ、アレクサンドル・ペトロフ 他)

【あらすじ】──隕石雨の観測の日。
モスクワ上空に謎の球体をした宇宙船が飛来する。
軍の攻撃を受け、街を壊しながら墜落した宇宙船からは特殊なスーツで体を覆った生命体が現れる。
そのスーツの中に入っていたのは地球人と変わらぬ姿をしたヘイコンと名乗る男だった。
軍の司令官の娘ユリア(イリーナ・スタルシェンバウム)は、ヘイコンとコンタクトをとり、交流を深めていくが…。──
☆ロシアならではのスケール感と豪華スタッフによる宇宙船の造形
今に始まったことではないかもしれないけど、最近ロシア産の映画をよく目にします。
以前に複数のロシア産ホラー映画について述べたブログや、ドラゴンが登場するファンタジー映画について述べたブログをアップしました。
そしてそれらの作品を観てきて思うのは、総じてロシアの映画はスタイリッシュでクールな雰囲気なのが多いのかなといったところです。
十数本も何十本もロシア映画を観たわけではないので、一概には言えませんが、少なくとも私が観てきた作品はそういう映像世界のものが見受けられます。
そしてSFである本作もまた映像がカッコよく綺麗です。
モスクワを舞台にしているこの作品は、同じ大陸国家であるアメリカとはまた違う、やはりロシアの土地柄が表れた映像です。
広々とした土地に一軒いっけん家が並ぶのではなく、その都会の中にはデカい集合住宅がチラホラと並ぶ景色。

ここがアメリカとは違う形でのスケール感なんですね。
そしてその街の上空を球体の不思議な物体が飛来するという組み合わせは見所の1つです。
この辺りのVFXはなんらチープさを感じないすばらしいものですが、『第9地区』や『エリジウム』と、SF大作のスタッフが携わっている点で、まるまるロシア産というわけではなさそうです。
とはいえ、この宇宙船の造形は宇宙SFが好きな人ならワクワクするでしょう。
ピカピカのシルバーで曲線的な物体
これなんですよね!
本作に登場するこの球体の宇宙船は、周りにリング状の回転体があって、そこが怪しさを醸しています。
どうやってこんな回転のさせかたしてるの?
どこで本体とつながってるの?
と、疑問になります。
ジャイロスコープを思わせる形状ですね。

いかにも地球上の物じゃない感じの巨大な物体が、モスクワの中でもおそらく新興地域的な区域と言える場所に飛来する。
そんな“図”は、宇宙SFに近未来SFの要素も加わったようなカッコよさがあります!
★他作品での活躍も気になる俳優たち
漢字だらけの中国映画やハングル表記の韓国映画、その他英語圏以外の国の映画はだいたいそうなんですが、こちらロシア映画もそう…
エンドクレジット見ても見当つかない文字たち。
監督の名前、どの俳優がどの人物を演じているのかも、カタカナ表記で確認できたところで耳慣れない名前ばかりです。
そんな中でも目を惹くのがまず、主演女優のイリーナ・スタルシェンバウム。
もちろん主演なのだから目を惹くのは当たり前なんですが、ハイ、美人ですね。
初めからめちゃくちゃ美人と思わせるよりは、キリッとした目鼻立ちで、劇中の役柄も相まってだんだん美人に思えてくるといったところでしょうか。
これぞクールビューティー!
彼女の出演している作品は今のところ本作以外は確認できないですが、今後の他の作品での活躍も楽しみにしたいところですね!
そしてあのパワードスーツから現れる地球人と変わらぬ姿をした異星人ヘイコンを演じているリナル・ムハメトフ。
"Rinal Mukhametov"という綴りで検索ヒットしますが、これまた耳慣れない響きのやはりロシア人らしい名前で、日本ではまだ情報が少ない俳優さんです。
しかし、本作で地球人らしい振る舞いをしようにもぎこちない異星人を演じる彼は、すぐにでも女性のハートをつかみそうなキュートなイケメンです!
ひとまず主要な役の2人の俳優を取りあげましたが、もしかしたらハリウッド進出もありえるでしょうか。
西欧諸国の俳優がハリウッド進出する例はとっくの昔からありますが、おそらくロシア出身の俳優はまだまだ少ないでしょう。
ハリウッドでは無理でも、そうですね…、コスモポリタンな世界を描いた日本の作品があれば是非とも出演していただきたいです!
コスモポリタンな世界を描いた映画となるとたいていSF映画になるんでしょう。
なのでまずは日本でそういう映画が作られたらの話ですね。

☆ストーリーはともかくコンセプトはおもしろい!
この『アトラクション 制圧』という作品。
ストーリーはというと、特別どこかで盛り上がりがあるかといえば、そういうものではありません。
それでもおもしろいのは異星人という者の考え方。
地球外から来た得体の知れない者たちを地球人の敵として恐ろしく描いた映画、あるいは全くその逆で友好的に描いた映画はよく見かけます。
本作はというと、そのどちらでもない描き方といったところでしょうか。
あまり述べると、まだ観ていない人にネタバレになるのですが──
この作品で異星人は見た目だけでなく、ある意味物事の考え方も地球人と変わらないといえば変わらないです。
ただ、圧倒的に地球人より進んだ文明を築いていて、地球人が抱えてる問題や欠点をとっくに克服している人類と言えます。
そんな彼らの目を通して、地球人というのを見事に客観視させてくれる知的さが本作の最大の見所なんだなと思いました。
冒頭の宇宙船が飛来するところからの軍がとる行動にしても、この段階で地球人が愚かしく感じてしまいます。
どう見たってこりゃ軍のせいだろ!
と、ツッコミたくなります(笑)

もっと言えば、このシーンを通して歴史を振り返ったときに、地球人って実はかなり取り越し苦労な生き物なんだなと思い、ここに登場する地球人そっくりな異星人が羨ましく思えてきます。
ストーリーはともかくコンセプトとして、観た後に心地よい後味が残る作品です。
ところでこの作品のタイトル、原題も"ATTRACTION"のようですが、どういう意図でつけられたタイトルなんでしょう?
「引力」「引きつける物」「呼び物」
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