染谷将太の演技力が地味にすばらしいと再確認!『脳男』
- 2018/06/06
- 22:21
前回ブログで江口洋介主演の映画『アナザヘヴン』について語りました。
そしてそのとき、たまたま劇場公開中の『孤狼の血』で江口洋介がヤクザの役で出演しているのを見て、やっぱ映画で見る江口洋介はカッコいいなと思いました。
そしてその影響で私が思い出したようになんとなくまた観てしまった映画がこちら。
『脳男』(2013年 監督:瀧本智行 出演:生田斗真、松雪泰子、江口洋介、二階堂ふみ、太田莉菜、染谷将太 他)


脳男 [Blu-ray][→Amazon]
【あらすじ】──精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)が乗ろうとしていたバスが爆破される事件が発生。
刑事・茶屋(江口洋介)は犯人のアジトで鈴木一郎と名乗る男(生田斗真)を拘束。
感情を持たない身元不明の男を鷲谷が精神鑑定する中、彼は大富豪の祖父である入陶倫行によって犯罪者を抹殺するように育てられた本名・入陶大威であることがわかる。
人間性を取り戻せると信じて彼の精神鑑定を続ける鷲谷であるが、爆破事件の犯人による新たな犯行を前に、入陶大威は再び犯人を殺そうと動き出す。──
☆キャストの組み合わせが豪華!
私は一度、本作をレンタルDVDで観たのですが、江口洋介つながりでまた観たくなってきて改めてレンタルして観ました。

そうして改めて観て思ったのは、熱血刑事を演じている江口洋介だけでなく、とにかく全体的なキャストがすばらしいということです。
前回の『アナザヘヴン』のブログでも述べたのですが、本作『脳男』でも刑事の役である江口洋介に加えてこれまた松雪泰子が出演しています。
こちらでは彼女は精神科医の役ですが女医役というわけで、『アナザヘヴン』を思わせる江口洋介との組み合わせです。

といっても本作での彼女は、弟を殺された過去を持つ悲劇的な人物像です。
ラストの絶望的なシーンはホント悲しいですね。

そして連続爆破事件の犯行グループ二人組のうちの1人、緑川紀子を演じているのが二階堂ふみ。
本作のとき辺りからさまざまな作品に出演し、演技力の高さは知っていますが、『地獄でなぜ悪い』『ヒミズ』と、私の中では園子温監督の作品で強い印象があります。
本作『脳男』ではかなり病的なサイコキラーの役で、これまたキャラが際立っていますね!


後述する染谷将太が演じている志村昭文とは劇中では直接の関わりのない人物ながら、二階堂ふみと染谷将太があわせて出演している作品に『ヒミズ』と『悪の教典』があり、この二人の組み合わせも興味深いです。
二人ともこの頃からいろんな作品で目にするようになりましたね。
それにしても二階堂ふみの方はけっこうなカメレオン女優です。
役によってかなり化けるときがあるものですから、後になってからあれは彼女だったんだと気づく作品もあります。
★染谷将太の演技力を再認識させられる!
江口洋介つながりでと言って観ていながら、先ほど述べた染谷将太の演技力が地味にすごいなと、今観ると再認識させられます!
本作と近い時期の映画で何かと彼を目にしていた気がしますが(しかも園子温監督の作品が多い!)、やはり数々の作品で出演するだけの実力ですね。
最近では『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』で久々に彼を見ましたが、こうして数年前のブレイクする前辺りの脇役を見ても、すでに難しい役を演じきっています。
原作小説には登場しないオリジナルの人物で、子供を殺した殺人犯の役なんですが──
こんな脇役でこそ真価を発揮していた?
と、思わせるラストの変態ぶりな表情です。
彼の目つきって独特の味がありますね!
☆そしてやっぱり生田斗真がスゴい!
さあ、このまま染谷将太について述べて終えてしまえば本記事のタイトルどおりではありますが、忘れてならないのは主演の生田斗真という存在。

本作は松雪泰子が演じる精神科医の視点でストーリーが進むので、彼女が主役と言えそうです。
しかし作品のタイトルどおり、主役は本当のところ「脳男」こと入陶大威を演じる生田斗真のはずです。
美形な彼の演じる、感情を出さない役というのもまた難しい役でしょう。
『予告犯』や『グラスホッパー』の主人公のような健気な人物像とは違った、まるでサイボーグのような強靭なキャラで、劇中のあの鍛え上げられた体を作るのにも、過酷なトレーニングがあったと思われます。
とはいえ、“殺人マシーン”な人物であっても悪どさなどなく、あくまで純真に映るその表情や振る舞いを生田斗真が演じるのは配役として間違いなかったでしょう。
この役に生田斗真なら「いけるんじゃないかと直感した」という瀧本智行監督の目に狂いはなかったわけです!
これだけの役作りに関しては、生田斗真本人が監督と徹底討論したとのことで、彼の演技への力の入れように脱帽です。
いや、ホント!
私が生田斗真の名前を知ったのは、自分が小学生の頃のうっすらとした記憶ですが、NHKの「天才てれびくん」に出演していたときでした。
あの頃は彼がジャニーズ事務所所属のタレントであることすら知らなかったですが…
今の彼を映画で見ていると、もうジャニーズのタレントという域を越えた完全な実力派俳優そのものだと、改めて感慨にふけってしまいます。
いや、そもそもジャニーズのタレントの何人かは、実はすばらしい俳優だと思うのですが。
(『ヒメアノ~ル』のときの森田剛だって迫真の演技だったしな~)
で、この映画俳優・生田斗真が全くもってズルいのは、おそらくは悪役を演じたとしてもピュアな魅力を放ちそうな勢いであることです。

繊細な人物を演じてもマッチョな強者を演じても、なんとも特殊なオーラを放っているんですよね!
彼なら猟奇殺人鬼を演じても、爽やかな“涼気”殺人鬼かもしれません。
──ハイ!江口洋介めあてに観て、染谷将太の演技力について述べてからの、最後はやはり主演の生田斗真についてと来ました。
作品そのものは、小説が原作のサスペンス映画としては興味深いテーマで惹きつけられるものがあります。
こういう作品があるから邦画は邦画で捨てがたい!と思わせられる作品の1つだと私は思いますし、邦画のカッコいい部分を見せてくれる意味では、前回ブログの『アナザヘヴン』と並んで好きな作品です。
それまで長らく洋画偏愛だった私が、邦画も好んで観るきっかけとなったのは、やはり本作も含め、ちょうど近い時期に公開されたいくつかの作品だった気がします。
ただ、やっぱり江口洋介は『アナザヘヴン』のときのほうが好きかな。
実際のところ、コアな作品や濃いめな世界観を描いた作品で演じたらホント光る俳優だと思うんですよね!
あと、これまた個人的に思うのは、『22年目の告白 -私が殺人犯です-』で伊藤英明が演じていた刑事を、もし江口洋介が演じていたとしても違和感なくはまりそうです。


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そしてそのとき、たまたま劇場公開中の『孤狼の血』で江口洋介がヤクザの役で出演しているのを見て、やっぱ映画で見る江口洋介はカッコいいなと思いました。
そしてその影響で私が思い出したようになんとなくまた観てしまった映画がこちら。
『脳男』(2013年 監督:瀧本智行 出演:生田斗真、松雪泰子、江口洋介、二階堂ふみ、太田莉菜、染谷将太 他)

【あらすじ】──精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)が乗ろうとしていたバスが爆破される事件が発生。
刑事・茶屋(江口洋介)は犯人のアジトで鈴木一郎と名乗る男(生田斗真)を拘束。
感情を持たない身元不明の男を鷲谷が精神鑑定する中、彼は大富豪の祖父である入陶倫行によって犯罪者を抹殺するように育てられた本名・入陶大威であることがわかる。
人間性を取り戻せると信じて彼の精神鑑定を続ける鷲谷であるが、爆破事件の犯人による新たな犯行を前に、入陶大威は再び犯人を殺そうと動き出す。──
☆キャストの組み合わせが豪華!
私は一度、本作をレンタルDVDで観たのですが、江口洋介つながりでまた観たくなってきて改めてレンタルして観ました。

そうして改めて観て思ったのは、熱血刑事を演じている江口洋介だけでなく、とにかく全体的なキャストがすばらしいということです。
前回の『アナザヘヴン』のブログでも述べたのですが、本作『脳男』でも刑事の役である江口洋介に加えてこれまた松雪泰子が出演しています。
こちらでは彼女は精神科医の役ですが女医役というわけで、『アナザヘヴン』を思わせる江口洋介との組み合わせです。

といっても本作での彼女は、弟を殺された過去を持つ悲劇的な人物像です。
ラストの絶望的なシーンはホント悲しいですね。

そして連続爆破事件の犯行グループ二人組のうちの1人、緑川紀子を演じているのが二階堂ふみ。
本作のとき辺りからさまざまな作品に出演し、演技力の高さは知っていますが、『地獄でなぜ悪い』『ヒミズ』と、私の中では園子温監督の作品で強い印象があります。
本作『脳男』ではかなり病的なサイコキラーの役で、これまたキャラが際立っていますね!


後述する染谷将太が演じている志村昭文とは劇中では直接の関わりのない人物ながら、二階堂ふみと染谷将太があわせて出演している作品に『ヒミズ』と『悪の教典』があり、この二人の組み合わせも興味深いです。
二人ともこの頃からいろんな作品で目にするようになりましたね。
それにしても二階堂ふみの方はけっこうなカメレオン女優です。
役によってかなり化けるときがあるものですから、後になってからあれは彼女だったんだと気づく作品もあります。
★染谷将太の演技力を再認識させられる!
江口洋介つながりでと言って観ていながら、先ほど述べた染谷将太の演技力が地味にすごいなと、今観ると再認識させられます!
本作と近い時期の映画で何かと彼を目にしていた気がしますが(しかも園子温監督の作品が多い!)、やはり数々の作品で出演するだけの実力ですね。
最近では『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』で久々に彼を見ましたが、こうして数年前のブレイクする前辺りの脇役を見ても、すでに難しい役を演じきっています。
原作小説には登場しないオリジナルの人物で、子供を殺した殺人犯の役なんですが──
こんな脇役でこそ真価を発揮していた?
と、思わせるラストの変態ぶりな表情です。
彼の目つきって独特の味がありますね!
☆そしてやっぱり生田斗真がスゴい!
さあ、このまま染谷将太について述べて終えてしまえば本記事のタイトルどおりではありますが、忘れてならないのは主演の生田斗真という存在。

本作は松雪泰子が演じる精神科医の視点でストーリーが進むので、彼女が主役と言えそうです。
しかし作品のタイトルどおり、主役は本当のところ「脳男」こと入陶大威を演じる生田斗真のはずです。
美形な彼の演じる、感情を出さない役というのもまた難しい役でしょう。
『予告犯』や『グラスホッパー』の主人公のような健気な人物像とは違った、まるでサイボーグのような強靭なキャラで、劇中のあの鍛え上げられた体を作るのにも、過酷なトレーニングがあったと思われます。
とはいえ、“殺人マシーン”な人物であっても悪どさなどなく、あくまで純真に映るその表情や振る舞いを生田斗真が演じるのは配役として間違いなかったでしょう。
この役に生田斗真なら「いけるんじゃないかと直感した」という瀧本智行監督の目に狂いはなかったわけです!
これだけの役作りに関しては、生田斗真本人が監督と徹底討論したとのことで、彼の演技への力の入れように脱帽です。
いや、ホント!
私が生田斗真の名前を知ったのは、自分が小学生の頃のうっすらとした記憶ですが、NHKの「天才てれびくん」に出演していたときでした。
あの頃は彼がジャニーズ事務所所属のタレントであることすら知らなかったですが…
今の彼を映画で見ていると、もうジャニーズのタレントという域を越えた完全な実力派俳優そのものだと、改めて感慨にふけってしまいます。
いや、そもそもジャニーズのタレントの何人かは、実はすばらしい俳優だと思うのですが。
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で、この映画俳優・生田斗真が全くもってズルいのは、おそらくは悪役を演じたとしてもピュアな魅力を放ちそうな勢いであることです。

繊細な人物を演じてもマッチョな強者を演じても、なんとも特殊なオーラを放っているんですよね!
彼なら猟奇殺人鬼を演じても、爽やかな“涼気”殺人鬼かもしれません。
──ハイ!江口洋介めあてに観て、染谷将太の演技力について述べてからの、最後はやはり主演の生田斗真についてと来ました。
作品そのものは、小説が原作のサスペンス映画としては興味深いテーマで惹きつけられるものがあります。
こういう作品があるから邦画は邦画で捨てがたい!と思わせられる作品の1つだと私は思いますし、邦画のカッコいい部分を見せてくれる意味では、前回ブログの『アナザヘヴン』と並んで好きな作品です。
それまで長らく洋画偏愛だった私が、邦画も好んで観るきっかけとなったのは、やはり本作も含め、ちょうど近い時期に公開されたいくつかの作品だった気がします。
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実際のところ、コアな作品や濃いめな世界観を描いた作品で演じたらホント光る俳優だと思うんですよね!
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