『富江』──原作漫画は知らないけど、とにかくこの世界観は好き!
- 2018/10/08
- 01:08
本作を今ごろ知って観てから、2作目が観たすぎるのに、その2作目以降が現在のところPrime Videoで観られないのが…Amazonユーザーとしてはまことに残念です!
しかもよく利用してるTSUTAYAにもないもどかしさよ!
と、そんな独り言をつぶやきながら取りあげるこちら!
『富江』(1999年 監督:及川中 出演:中村麻美、菅野美穂、洞口依子、田口トモロヲ、草野康太、水橋研二 他)


富江[→Prime Video]
はい、というわけで、他の動画配信サービスを利用するかDVDを買うか、もしくはあなたのお近くのレンタルショップにあればそちらを!
【あらすじ】──交通事故による記憶障害で、精神科の催眠療法を受けている泉沢月子(中村麻美)。
精神科医の細野辰子(洞口依子)は、催眠中の月子が「トミエ」という名前を口にするのを聞き、彼女に心当たりがないか聞き出そうとする。
一方、刑事の原田省二(田口トモロヲ)は、とある謎の事件について真相を追い、細野の元を訪れる。
その事件には、月子の友人であったという川上富江という少女が関わっていた。──

☆おかしくもあり、不気味でもある不死身の女
冒頭、月子の住んでるアパートの部屋の下に越してきた男が鞄の中に持っているのは女の生首。
どこかの猟奇殺人事件にありそうな図で、まずはそれが気持ち悪いです。
しかし本当に気持ち悪いのは、その生首だけで生きている富江という女です。

暗い部屋の中で声を出す様。
あからさまに鞄の中を見せない場面であっても、その声だけで異様な想像力が働いておぞましいですね!
それにあわせて、おかしくもあります!
こういう滑稽な表現で見せる映画ゆえに仕方ないのですが…。
バラバラにされても、その肉片1つひとつが別々に再生していくというこの発想…
なんなんだ!この最強感!
…わかってます。
本作も原作漫画があっての発想なんですが、日本映画はこれくらいとことんやっていいんだと!
★漫画から来ていても、世界観は往年の邦画ホラー路線
再生能力とか特殊能力とかグロ表現とか、漫画から来ている映画ではよくあるネタですよね。
たとえば『寄生獣』に『亜人』、『東京喰種』
パッと思い浮かぶのをあげてみましたが、これらは優れたVFXで、漫画の世界をなんとか実写の世界で表現しています。
(そして俳優たちの格好もマンガっぽいものがある)
これはこれで良いのですが、本作『富江』の良いところは、漫画が原作でいながら漫画っぽくない映画になっているところです。
どちらかといえば、小説を原作とした映画に近い雰囲気があります。
バラバラにされても再生できる怪物のようなキャラクターであれば、映画化されるにあたって、先にあげた『亜人』のような描かれ方をしても不思議ではなかったでしょう。
そこにホラーの色を取り入れてもギリギリ『東京喰種』のレベルにとどまっているはずです。
つまりは冒頭はホラーらしいダークで不気味な雰囲気ではあるものの、最後まではホラーにはなりきれない類の、いかにも漫画を原作とした娯楽作品になっていた可能性はあります。
しかし本作はあくまでも、90年代後期から2000年に入って間もない頃にあったジメジメ感満載の邦画ホラーです。

その頃の時代のホラー映画にあった映像の空気感が好きな人には、好みの作品になるのではないでしょうか。
(だから、それゆえに滑稽さもついてきます!)
この作品の時代はそもそも、まだあまりVFXが進んでいなかったから『亜人』や『東京喰種』のような描写にはならなかったのかもしれませんが、少なくとも私はこの映画の原作が漫画であることを知る前は、小説が原作かなと思っていました。
まず生首の描写が、同じグロでも決してコミカルではないですね。
鞄からのぞくアップの顔は、寒気がするような猟奇さを感じます。
☆グロテスクな人物の役に菅野美穂の演技が光る
始めの首だけのシーンですでに甲高い声をあげていますが、この富江という美しくもグロテスクな女を演じているのは菅野美穂です…

…って知ってる人たちには何を今さらといったところなんでしょう。
そんな菅野美穂は本作の同年に公開された映画『催眠』でも、おかしな人物を演じていました。
私はこの『催眠』のほうも最近になって観たのですが、これで菅野美穂のスゴさを思い知りました。
やはり彼女は、異質な人物を演じたら魅力が冴えわたる女優ですね。
いやホント!
この『催眠』と『富江』で、彼女のことを尊敬してしまいました。
世のおじさんたちが、その可愛らしいルックスを持て囃しているのを聞かされていたことがありましたが、そういうのとは違う目線で私は彼女が好きになりました!
菅野美穂が演じる富江には不気味さと美しさ、悪趣味さと異様なエロティシズムを感じさせられます。
私は漫画のほうは読んだことがないのですが、こうして見る限りでは菅野美穂が見事なハマリ役になっていますね!

そう、この目つき!

──さて、最初に述べたとおり、Amazonプライム・ビデオでは、この1作目だけしか現状では観られないのが実に残念で、とりわけ私が気になって仕方ないのが2作目『富江 replay』なんです!
なぜかと言いますと、こちらは山口紗弥加が出演しているからなんです。

彼女は私が大好きな『モスラ』シリーズにロラ役で出演していましたからね!
やはりその後の他の作品でも見られるのはうれしいことなのです。
地元のTSUTAYAよ!なぜ『富江 アンリミテッド』しか取り扱っていない?
…どうにかして観ないと!


富江[→Prime Video]
【おすすめ記事↓】
→黒沢清監督・役所広司主演『叫』──幽霊モノのホラー好きが求めるのってこういうのでは?
→冒頭に2つのトラウマシーン! 思い出のグロ映画『アナザヘヴン』
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しかもよく利用してるTSUTAYAにもないもどかしさよ!
と、そんな独り言をつぶやきながら取りあげるこちら!
『富江』(1999年 監督:及川中 出演:中村麻美、菅野美穂、洞口依子、田口トモロヲ、草野康太、水橋研二 他)

はい、というわけで、他の動画配信サービスを利用するかDVDを買うか、もしくはあなたのお近くのレンタルショップにあればそちらを!
【あらすじ】──交通事故による記憶障害で、精神科の催眠療法を受けている泉沢月子(中村麻美)。
精神科医の細野辰子(洞口依子)は、催眠中の月子が「トミエ」という名前を口にするのを聞き、彼女に心当たりがないか聞き出そうとする。
一方、刑事の原田省二(田口トモロヲ)は、とある謎の事件について真相を追い、細野の元を訪れる。
その事件には、月子の友人であったという川上富江という少女が関わっていた。──

☆おかしくもあり、不気味でもある不死身の女
冒頭、月子の住んでるアパートの部屋の下に越してきた男が鞄の中に持っているのは女の生首。
どこかの猟奇殺人事件にありそうな図で、まずはそれが気持ち悪いです。
しかし本当に気持ち悪いのは、その生首だけで生きている富江という女です。

暗い部屋の中で声を出す様。
あからさまに鞄の中を見せない場面であっても、その声だけで異様な想像力が働いておぞましいですね!
それにあわせて、おかしくもあります!
こういう滑稽な表現で見せる映画ゆえに仕方ないのですが…。
バラバラにされても、その肉片1つひとつが別々に再生していくというこの発想…
なんなんだ!この最強感!
…わかってます。
本作も原作漫画があっての発想なんですが、日本映画はこれくらいとことんやっていいんだと!
★漫画から来ていても、世界観は往年の邦画ホラー路線
再生能力とか特殊能力とかグロ表現とか、漫画から来ている映画ではよくあるネタですよね。
たとえば『寄生獣』に『亜人』、『東京喰種』
パッと思い浮かぶのをあげてみましたが、これらは優れたVFXで、漫画の世界をなんとか実写の世界で表現しています。
(そして俳優たちの格好もマンガっぽいものがある)
これはこれで良いのですが、本作『富江』の良いところは、漫画が原作でいながら漫画っぽくない映画になっているところです。
どちらかといえば、小説を原作とした映画に近い雰囲気があります。
バラバラにされても再生できる怪物のようなキャラクターであれば、映画化されるにあたって、先にあげた『亜人』のような描かれ方をしても不思議ではなかったでしょう。
そこにホラーの色を取り入れてもギリギリ『東京喰種』のレベルにとどまっているはずです。
つまりは冒頭はホラーらしいダークで不気味な雰囲気ではあるものの、最後まではホラーにはなりきれない類の、いかにも漫画を原作とした娯楽作品になっていた可能性はあります。
しかし本作はあくまでも、90年代後期から2000年に入って間もない頃にあったジメジメ感満載の邦画ホラーです。

その頃の時代のホラー映画にあった映像の空気感が好きな人には、好みの作品になるのではないでしょうか。
(だから、それゆえに滑稽さもついてきます!)
この作品の時代はそもそも、まだあまりVFXが進んでいなかったから『亜人』や『東京喰種』のような描写にはならなかったのかもしれませんが、少なくとも私はこの映画の原作が漫画であることを知る前は、小説が原作かなと思っていました。
まず生首の描写が、同じグロでも決してコミカルではないですね。
鞄からのぞくアップの顔は、寒気がするような猟奇さを感じます。
☆グロテスクな人物の役に菅野美穂の演技が光る
始めの首だけのシーンですでに甲高い声をあげていますが、この富江という美しくもグロテスクな女を演じているのは菅野美穂です…

…って知ってる人たちには何を今さらといったところなんでしょう。
そんな菅野美穂は本作の同年に公開された映画『催眠』でも、おかしな人物を演じていました。
私はこの『催眠』のほうも最近になって観たのですが、これで菅野美穂のスゴさを思い知りました。
やはり彼女は、異質な人物を演じたら魅力が冴えわたる女優ですね。
いやホント!
この『催眠』と『富江』で、彼女のことを尊敬してしまいました。
世のおじさんたちが、その可愛らしいルックスを持て囃しているのを聞かされていたことがありましたが、そういうのとは違う目線で私は彼女が好きになりました!
菅野美穂が演じる富江には不気味さと美しさ、悪趣味さと異様なエロティシズムを感じさせられます。
私は漫画のほうは読んだことがないのですが、こうして見る限りでは菅野美穂が見事なハマリ役になっていますね!

そう、この目つき!

──さて、最初に述べたとおり、Amazonプライム・ビデオでは、この1作目だけしか現状では観られないのが実に残念で、とりわけ私が気になって仕方ないのが2作目『富江 replay』なんです!
なぜかと言いますと、こちらは山口紗弥加が出演しているからなんです。

彼女は私が大好きな『モスラ』シリーズにロラ役で出演していましたからね!
やはりその後の他の作品でも見られるのはうれしいことなのです。
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- テーマ:映画感想
- ジャンル:映画
- カテゴリ:ホラー映画
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