『宇宙戦争』は特撮・怪獣映画のような演出が良い!
- 2022/08/06
- 21:54
ある作品を観て、後になってからそれがリメイクだと知ったということはよくあります。
2005年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の『宇宙戦争』が私にとってのそれです。
この場合、スピルバーグ自身がリメイクのつもりで制作しているというべきかはわかりませんが、1953年の作品が先であるということを最近知りました。
もっとそれ以前に、1898年に発表された小説が原作だということも最近知って驚きました。
19世紀に書かれた小説とは!
ということで今回はこの『宇宙戦争』の新旧2作を比較していきたいと思います。
まずは旧作の方から──
『宇宙戦争』(1953年 監督:バイロン・ハスキン 出演:ジーン・バリー、アン・ロビンソン 他)


[→Prime Video]
──特撮映画ファンがワクワクする火星人の兵器──
1953年に製作された作品とあって、今観ればかなり古さを感じます。
あの1954年の『ゴジラ』より1年前の作品なんですね!
それゆえCGを使わない特撮による表現が、日本で製作された数々の特撮映画に近い感覚があり、見ていてワクワクします。
火星人が乗っている飛行物体や光線の描き方など、妙な親近感が沸きます。
しかしながら本作の特徴として、火星人の全体像は現れないというのがあります。
スピルバーグ版の方にもない特徴であり、火星人の体で映るのは腕のみです。
おもしろいことに、スピルバーグが『宇宙戦争』ではなく『激突』や『ジョーズ』で見せたあの不気味な表現を、このバイロン・ハスキン監督による『宇宙戦争』ですでに見られるということです。
はっきりと姿を現さないことがかえって得体の知れない恐怖感を持たせます。
ではスピルバーグ版について述べます。
『宇宙戦争』(2005年 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング 他)


[→Prime Video(字幕版)]
[→Prime Video(吹き替え版)]
──怪獣映画ファンにも嬉しいトライポッドの襲撃シーン──
本作はエイリアンの全体像をしっかり見せてくれます。
火星人ではなく、もっと遠い別の星の知的生命体という相違点もさることながら、3本脚という造形がユニークです。
地球環境を羨望の眼差しで見ている様は旧作と同じですが、エイリアンが乗るトライポッドと呼ばれる乗り物がまた生物的な動きで、脚で歩行しながら光線で攻撃してくるところは怪獣映画を観ているような感覚に近いです。
しかもその乗り物も3本脚!
人間が人型ロボットを操るみたいに、このエイリアンたちは自分達の姿を投影したような巨大な乗り物を操っているわけで、彼らにとってのモビルスーツとも言えます。
ここにスピルバーグ監督らしいテンポの良い演出と展開があります。
そらもう、恐竜が襲ってくる映画をあれだけおもしろく作った監督ですから!
地球外生命体が地球人を攻撃するような映画は本作が初めてながら、やはりおもしろいです。
そんなスピルバーグ流を発揮した作品ですが、結末はオリジナルと同じにしています。
やはりあのラストこそ、この物語の見所です。
私は原作小説は未読ですが、そちらもあの結末なのであればやっぱH・G・ウェルズはスゴい!
──同原作映画の新旧作品について述べましたが、ハスキン版は昭和の特撮映画、スピルバーグ版は平成の怪獣映画に近いものを感じます。
ところで実はスピルバーグ版の同年に別で映画化された作品があることも最近知りました。

またしても驚きです。
現時点で私はまだ観ていませんが、このジャケットからして察するところB級映画でしょうか。
しかし内容が気になります!


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2005年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の『宇宙戦争』が私にとってのそれです。
この場合、スピルバーグ自身がリメイクのつもりで制作しているというべきかはわかりませんが、1953年の作品が先であるということを最近知りました。
もっとそれ以前に、1898年に発表された小説が原作だということも最近知って驚きました。
19世紀に書かれた小説とは!
ということで今回はこの『宇宙戦争』の新旧2作を比較していきたいと思います。
まずは旧作の方から──
『宇宙戦争』(1953年 監督:バイロン・ハスキン 出演:ジーン・バリー、アン・ロビンソン 他)

──特撮映画ファンがワクワクする火星人の兵器──
1953年に製作された作品とあって、今観ればかなり古さを感じます。
あの1954年の『ゴジラ』より1年前の作品なんですね!
それゆえCGを使わない特撮による表現が、日本で製作された数々の特撮映画に近い感覚があり、見ていてワクワクします。
火星人が乗っている飛行物体や光線の描き方など、妙な親近感が沸きます。
しかしながら本作の特徴として、火星人の全体像は現れないというのがあります。
スピルバーグ版の方にもない特徴であり、火星人の体で映るのは腕のみです。
おもしろいことに、スピルバーグが『宇宙戦争』ではなく『激突』や『ジョーズ』で見せたあの不気味な表現を、このバイロン・ハスキン監督による『宇宙戦争』ですでに見られるということです。
はっきりと姿を現さないことがかえって得体の知れない恐怖感を持たせます。
ではスピルバーグ版について述べます。
『宇宙戦争』(2005年 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング 他)

──怪獣映画ファンにも嬉しいトライポッドの襲撃シーン──
本作はエイリアンの全体像をしっかり見せてくれます。
火星人ではなく、もっと遠い別の星の知的生命体という相違点もさることながら、3本脚という造形がユニークです。
地球環境を羨望の眼差しで見ている様は旧作と同じですが、エイリアンが乗るトライポッドと呼ばれる乗り物がまた生物的な動きで、脚で歩行しながら光線で攻撃してくるところは怪獣映画を観ているような感覚に近いです。
しかもその乗り物も3本脚!
人間が人型ロボットを操るみたいに、このエイリアンたちは自分達の姿を投影したような巨大な乗り物を操っているわけで、彼らにとってのモビルスーツとも言えます。
ここにスピルバーグ監督らしいテンポの良い演出と展開があります。
そらもう、恐竜が襲ってくる映画をあれだけおもしろく作った監督ですから!
地球外生命体が地球人を攻撃するような映画は本作が初めてながら、やはりおもしろいです。
そんなスピルバーグ流を発揮した作品ですが、結末はオリジナルと同じにしています。
やはりあのラストこそ、この物語の見所です。
私は原作小説は未読ですが、そちらもあの結末なのであればやっぱH・G・ウェルズはスゴい!
──同原作映画の新旧作品について述べましたが、ハスキン版は昭和の特撮映画、スピルバーグ版は平成の怪獣映画に近いものを感じます。
ところで実はスピルバーグ版の同年に別で映画化された作品があることも最近知りました。

またしても驚きです。
現時点で私はまだ観ていませんが、このジャケットからして察するところB級映画でしょうか。
しかし内容が気になります!


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