日常空間が悪夢に!舞台設定がユニークなシチュエーションスリラー映画
- 2015/12/05
- 03:57

『ソウ』シリーズのようなソリッド・シチュエーション・スリラーともなれば、あまりにエグくて吐き気までもよおしそうですが、もっと日常的な空間を舞台にしたシチュエーションスリラーならまだ肩を楽にして観られるかなと…。
そんなごく身近な日常空間がとんでもない悪夢に変わるシチュエーションスリラーで、私が観てきた作品を3つ紹介します。
2002年の映画『

「電話ボックスから出るな、俺の言う通りにしろ──」
やり手のメディア・コンサルタントが電話ボックスから動けないまま、何者かにライフルで狙われる。
なんだかかわいそうで災難な主人公ですが、犯人は過去に主人公といざこざがあった、売れない役者らしい。
冒頭の口の上手い余裕な態度の主人公が、だんだん情けない顔と言動になっていく様を、主演コリン・ファレルが見事に演じています。
コリン・ファレルというと個人的には『マイノリティ・リポート』や『マイアミ・バイス』が印象に残っていて、比較的クールなイメージがあります。
さて、携帯やスマホが普及してる今となっては、あまり使われなくなってきている電話ボックスですが…。
ほとんどの場面がそんなニューヨークの街中にある電話ボックスの中で展開される作品です。
しかし、電話ボックスの電話が鳴ったらビックリですよね?
私だったら受話器をとらないです、だぶん。
そして2012年公開のこちら『

舞台はタイトル通り、エレベーターです。
こちらも正に日常空間ですね。
ところでエレベーターに乗るとき、できれば1人がいいなと思う人、けっこう多いのではないでしょうか。
私は人の多い繁華街や店の中を歩くのも平気だし、電車なんかも満員でなければ乗客が多くても気にならないです。
映画館ともなれば、ある程度お客さんがいたほうが良かったりするのですが、なぜかエレベーターは1人がいいです。
それはさておき、パーティーに向かうためにエレベーターに乗り込んだ9人の男女。
最上階に向かおうとしたとき、エレベーターは49階付近で停止してしまう。
その中で1人が「私は爆弾を持っている」と言い出し、パニックに。
エレベーターから脱出しようとあれこれ試みるが…。
さあ、ここから痛々しいシーンあり、醜いやり取りありで見せてくれます。
それにしてもあの子ども憎たらしい!
はいそして、こちらも2012年の作品『

クリスマスパーティーの帰りにチョイとお金をおろしたいと3人の男女が寄ったATM。
お金をおろした、さあ出ようとしたら外の向こうに不審な人物。
なんか怪しげでこわい、いや大丈夫か、と思ったら──、そいつの横を通りかかった歩行者が殺される。
ヤバい…今ATMを出たら自分たちも殺される──。
マイナス21度という極寒で、出るに出られないATM……。
それにしてもこのイヌイットみたいな格好をしたヤツ、賢い!
なにもかも見事に計算されつくしている!
そして観ていて悔しいくらい皮肉なラストは、少しばかりうまくできすぎで、さすがに現実ではこうはいかないでしょうけど、そこは映画だから許容範囲だと思います。
いずれの作品もまあ、普通に生活してたらこんな目には合わないだろう、そんなシチュエーションでのストーリーですが──、ごく身近な空間、それもホントに限られた狭い舞台でひたすら展開されていくシナリオがすばらしいですね。
電話ボックスでライフルで狙われるとか、ATMで襲われるとか、そんなねぇ…。
そうか、エレベーターの閉じ込め事故はありえる。それもめちゃくちゃ嫌いなヤツと一緒だったら(笑)。

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