ラストの台詞で沸き上がる感動! 『善き人のためのソナタ』
- 2016/10/09
- 03:34
ところどころで悪い評判を目にするアルバトロスによる配給の映画。
しかし、どうしてもゲテモノな作品やロクでもない作品のイメージが払拭できずにいる人にもせめてこの作品は是非とも観ていただきたいところです!
ちなみに『アメリ』もアルバトロスによる配給の映画ですが──
それはさておき、ここで取りあげる『善き人のためのソナタ』はマジメに良作であることは確かです。
【あらすじ】──1984年の東ドイツ。
国家保安省(シュタージ)の局員、ゲルト・ヴィースラー大尉は国家に忠誠を違い、反体制の疑いのある者を監視していた。
劇作家ドライマンとその同棲相手で女優のクリスタを監視するよう命じられたヴィースラーは、彼らのアパートに盗聴器を仕掛ける。
徹底した監視を行うヴィースラーであったが、ドライマンの演奏するピアノソナタを聴いたことから、彼の心が揺さぶられる。──
冷徹なほど抜け目のない人物が、いざ人の助けにまわったときの不器用さ。
それゆえに泣かせるこの作品、
『善き人のためのソナタ』(2006年 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 出演:ウルリッヒ・ミューエ、セバスチャン・コッホ、マルティナ・ゲデック 他)


善き人のためのソナタ [Blu-ray][→Amazon]
静かに展開されていくシーンからは、当時の東ドイツの閉塞感が伝わってきます。
そんな派手さのない描写ながら、実在した組織による行動が興味深く描かれ、観る者を退屈させません。
そして主人公ヴィースラーの心の変化と、そこからとる彼の行動が、意外なほどテンポよく見届けられます。
劇作家ドライマンの友人が自殺する前に、パーティーでピアノソナタの楽譜をプレゼントするシーンが、そのあとの展開で見事なまでに感慨深く生きてきます。
このひっそりとした描写の中にジワっと感動を盛り込んでくる様は、さすがヨーロッパ産の映画といえます!
そして長々とした展開のラストシーンで主人公が発するその台詞──。
観る者をなんともいえない幸福感に包み込むような余韻でエンドロールに流れ込みます。
そう、正にこのラストの台詞の瞬間のためにこそ観る価値のある映画なのです!
主演でヴィースラー役のウルリッヒ・ミューエ自身、旧東ドイツの共産主義体制を経験しており、反政府デモの指導を行ったとのこと。
1997年には『ファニーゲーム』、2003年には日本の映画『スパイ・ゾルゲ』、そして2007年の『わが教え子、ヒトラー』にも出演したウルリッヒ・ミューエは残念ながら54歳という若さで亡くなりました。
そんな彼自身も経験した激動の時代を背景に、この『善き人のためのソナタ』は、雪解けのようににじみ出る人間の良心を表現したドイツ映画の傑作といえます。
当作品はアカデミー賞外国語映画賞など数々の賞を受賞しました。
ミューエもまたヨーロッパ映画賞の男優賞を受賞し、知名度を上げた矢先での他界であったため、本当に惜しまれる存在です。
彼の功績を称えつつ、そのほかの出演作にも目を通しておきたいところです。
ツイッターもよろしく!↓
https://twitter.com/ongaku_eiga
しかし、どうしてもゲテモノな作品やロクでもない作品のイメージが払拭できずにいる人にもせめてこの作品は是非とも観ていただきたいところです!
ちなみに『アメリ』もアルバトロスによる配給の映画ですが──
それはさておき、ここで取りあげる『善き人のためのソナタ』はマジメに良作であることは確かです。
【あらすじ】──1984年の東ドイツ。
国家保安省(シュタージ)の局員、ゲルト・ヴィースラー大尉は国家に忠誠を違い、反体制の疑いのある者を監視していた。
劇作家ドライマンとその同棲相手で女優のクリスタを監視するよう命じられたヴィースラーは、彼らのアパートに盗聴器を仕掛ける。
徹底した監視を行うヴィースラーであったが、ドライマンの演奏するピアノソナタを聴いたことから、彼の心が揺さぶられる。──
冷徹なほど抜け目のない人物が、いざ人の助けにまわったときの不器用さ。
それゆえに泣かせるこの作品、
『善き人のためのソナタ』(2006年 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 出演:ウルリッヒ・ミューエ、セバスチャン・コッホ、マルティナ・ゲデック 他)

静かに展開されていくシーンからは、当時の東ドイツの閉塞感が伝わってきます。
そんな派手さのない描写ながら、実在した組織による行動が興味深く描かれ、観る者を退屈させません。
そして主人公ヴィースラーの心の変化と、そこからとる彼の行動が、意外なほどテンポよく見届けられます。
劇作家ドライマンの友人が自殺する前に、パーティーでピアノソナタの楽譜をプレゼントするシーンが、そのあとの展開で見事なまでに感慨深く生きてきます。
このひっそりとした描写の中にジワっと感動を盛り込んでくる様は、さすがヨーロッパ産の映画といえます!
そして長々とした展開のラストシーンで主人公が発するその台詞──。
観る者をなんともいえない幸福感に包み込むような余韻でエンドロールに流れ込みます。
そう、正にこのラストの台詞の瞬間のためにこそ観る価値のある映画なのです!
主演でヴィースラー役のウルリッヒ・ミューエ自身、旧東ドイツの共産主義体制を経験しており、反政府デモの指導を行ったとのこと。
1997年には『ファニーゲーム』、2003年には日本の映画『スパイ・ゾルゲ』、そして2007年の『わが教え子、ヒトラー』にも出演したウルリッヒ・ミューエは残念ながら54歳という若さで亡くなりました。
そんな彼自身も経験した激動の時代を背景に、この『善き人のためのソナタ』は、雪解けのようににじみ出る人間の良心を表現したドイツ映画の傑作といえます。
当作品はアカデミー賞外国語映画賞など数々の賞を受賞しました。
ミューエもまたヨーロッパ映画賞の男優賞を受賞し、知名度を上げた矢先での他界であったため、本当に惜しまれる存在です。
彼の功績を称えつつ、そのほかの出演作にも目を通しておきたいところです。
ツイッターもよろしく!↓
https://twitter.com/ongaku_eiga
オーランド・ブルームが演じる性格ワルいバンドのボーカル! 『シンパシー・フォー・デリシャス』 ホーム
ワンシチュエーション、電話越しの会話のみという静かなるスリル! 『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』