『ストレイヤーズ・クロニクル』── あのアメコミ映画を思い浮かべたら負け!いや、だけど…
- 2016/12/22
- 01:36
日本版X-MEN──。
多かれ少なかれ、そんな評価をチラホラ目にするこの映画。
そら確かにこの内容や人物たちの設定は…。
しかも車椅子の人物が1人いるところまで、あのアメコミ作品と共通点を感じずにはいられません!
『ストレイヤーズ・クロニクル』(2015年 監督:瀬々敬久 出演:岡田将生、染谷将太、黒島結菜 他)


ストレイヤーズ・クロニクル Blu-ray[→Amazon]
言いたい気持ちはわかります!
邦画を観ていると時々あることなのでしょうか?
──東野圭吾の小説が原作の『プラチナデータ』を観たときに、トム・クルーズ主演の『マイノリティ・リポート』となんだか似ている気がしたのもそうでしたが──
制作者側、もっと言えば原作者が意識しているのかはわからないけど、「あの洋画のパクりじゃん!」と感じてしまう作品。
逆に言うと、洋画にも違う意味でオマージュというべきかパクりというべきか、「あの邦画と似ているな」と感じてしまう作品がないわけではないですが。
(そういう西部劇があったな…)
【あらすじ】──被験者となる親の脳に強いストレスを与え、異常なホルモンを発生させることで人間の潜在能力をフルに発揮するように生まれたグループ「チーム・スバル」
彼らは脳に負荷がかかりやすく、成人すれば「破綻」と呼ばれる精神崩壊によって廃人になるリスクを背負っている。
一方、遺伝子操作によって動物や昆虫の遺伝子を植え付け、人間にはない特殊能力を持って生まれたグループ「チーム・アゲハ」
その能力の代償として老化が非常に早く、通常は20歳代前後までしか生きられない。
とある極秘実験によって、生まれた2組のグループはそれぞれ正反対の道を選択した。
希望を信じ、能力を未来のために使おうとするチーム・スバル。
絶望し、未来を破壊しようとするチーム・アゲハ。
彼らを利用しようとする権力者たちが暗躍する中、2組が対立する。──
こうしてあらすじを見ると、細かいところではX-MENとは全然違います。
漠然と、特殊な力を持った者たちが人類との共存を求める側と敵対する側に分かれているという見方をすれば似ているだけ(+車椅子が1人)です。
しかもX-MENは、普通の人間たちのほうが、特殊能力をもつミュータントたちに偏見や敵意を抱いていて、即ち、異質な者への差別を物語の背景にしています。
こちら『ストレイヤーズ・クロニクル』は周囲の人間による能動的な差別よりも、実験によって望まない形で生まれてきてしまった者たちの苦しみや憎しみが全面に出ています。
そういう意味で、何かのパクりかどうかということは頭から離して、1つの邦画作品として観る限りでは、私はこの作品が好きです。
それこそ人物たちの姿は基本的に普通の人間と変わらず、皮膚がブルーだったり、翼や長い爪があったりなんてことはないのが救いです。
もしそういうのをやっちゃったら、邦画においては不自然なコスプレになってしまいますが。
そして一応、物語の悪役となるチーム・アゲハのリーダー、マナブ(染谷将太)のラストは、なんとも救いようのない切なさがあります。
更にはこれまたチーム・アゲハの1人、アオイ(黒島結菜)の淡く進展のない恋愛の結末も、ごく自然で納得のいくラストであるところも高く評価できます。
ハリウッドじゃ、大抵こうはいかないことが多いですからね。
そこはしっかりと最近の邦画らしい、良い意味での冷静さがあるラストです。
その点においては主題歌、挿入歌に使用されているゲスの極み乙女。の楽曲が、作品の雰囲気を引き立たせることに一役かっていると言えます。


ストレイヤーズ・クロニクル[→Prime Video]
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多かれ少なかれ、そんな評価をチラホラ目にするこの映画。
そら確かにこの内容や人物たちの設定は…。
しかも車椅子の人物が1人いるところまで、あのアメコミ作品と共通点を感じずにはいられません!
『ストレイヤーズ・クロニクル』(2015年 監督:瀬々敬久 出演:岡田将生、染谷将太、黒島結菜 他)

言いたい気持ちはわかります!
邦画を観ていると時々あることなのでしょうか?
──東野圭吾の小説が原作の『プラチナデータ』を観たときに、トム・クルーズ主演の『マイノリティ・リポート』となんだか似ている気がしたのもそうでしたが──
制作者側、もっと言えば原作者が意識しているのかはわからないけど、「あの洋画のパクりじゃん!」と感じてしまう作品。
逆に言うと、洋画にも違う意味でオマージュというべきかパクりというべきか、「あの邦画と似ているな」と感じてしまう作品がないわけではないですが。
(そういう西部劇があったな…)
【あらすじ】──被験者となる親の脳に強いストレスを与え、異常なホルモンを発生させることで人間の潜在能力をフルに発揮するように生まれたグループ「チーム・スバル」
彼らは脳に負荷がかかりやすく、成人すれば「破綻」と呼ばれる精神崩壊によって廃人になるリスクを背負っている。
一方、遺伝子操作によって動物や昆虫の遺伝子を植え付け、人間にはない特殊能力を持って生まれたグループ「チーム・アゲハ」
その能力の代償として老化が非常に早く、通常は20歳代前後までしか生きられない。
とある極秘実験によって、生まれた2組のグループはそれぞれ正反対の道を選択した。
希望を信じ、能力を未来のために使おうとするチーム・スバル。
絶望し、未来を破壊しようとするチーム・アゲハ。
彼らを利用しようとする権力者たちが暗躍する中、2組が対立する。──
こうしてあらすじを見ると、細かいところではX-MENとは全然違います。
漠然と、特殊な力を持った者たちが人類との共存を求める側と敵対する側に分かれているという見方をすれば似ているだけ(+車椅子が1人)です。
しかもX-MENは、普通の人間たちのほうが、特殊能力をもつミュータントたちに偏見や敵意を抱いていて、即ち、異質な者への差別を物語の背景にしています。
こちら『ストレイヤーズ・クロニクル』は周囲の人間による能動的な差別よりも、実験によって望まない形で生まれてきてしまった者たちの苦しみや憎しみが全面に出ています。
そういう意味で、何かのパクりかどうかということは頭から離して、1つの邦画作品として観る限りでは、私はこの作品が好きです。
それこそ人物たちの姿は基本的に普通の人間と変わらず、皮膚がブルーだったり、翼や長い爪があったりなんてことはないのが救いです。
もしそういうのをやっちゃったら、邦画においては不自然なコスプレになってしまいますが。
そして一応、物語の悪役となるチーム・アゲハのリーダー、マナブ(染谷将太)のラストは、なんとも救いようのない切なさがあります。
更にはこれまたチーム・アゲハの1人、アオイ(黒島結菜)の淡く進展のない恋愛の結末も、ごく自然で納得のいくラストであるところも高く評価できます。
ハリウッドじゃ、大抵こうはいかないことが多いですからね。
そこはしっかりと最近の邦画らしい、良い意味での冷静さがあるラストです。
その点においては主題歌、挿入歌に使用されているゲスの極み乙女。の楽曲が、作品の雰囲気を引き立たせることに一役かっていると言えます。

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