すでにチケットを買って、楽しみにしている人たちに水を差すつもりは全くありません。
コールドプレイが4月19日に来日ということで──、2014年以来3年ぶりとなります。
このニュースを知ったときから、正直迷ってはいました。
彼らのアルバムは買い続けているし、しばらく来日がなくて寂しいと待ち望んでいたのですから。
そんな私が、結果的にこの2017年の彼らの
来日公演に行かない理由──
それは1つのキャッチコピーです。
"キャリア初の東京ドーム公演!!"この言葉にどうしても納得がいきません。
「何を言ってるんだ!自分が好きな
アーティストがこんな大きな会場で
ライブするんだぞ!」
そう言う声が聞こえてきそうだし、それはわかります。
しかし、変わり者と言えば変わり者かもしれませんが、どうもこの
東京ドーム──すなわち球場──が会場に使われるというのが好きになれません。
まず、基本的に私は屋外型の
ライブが好きじゃありません。
開放感があって良いという人が多いか思いますが、私はあの音が抜けていってしまう感じが好きになれないのです。
ライブは観るものと言えばそうでしょうけど、やはり音楽の
ライブは音をちゃんと聴きたい面があります。
良い音を体で感じるためにも密閉された屋内の方が断然響きが違います。
以前のブログでULTRA MUSIC FESTIVAL JAPANや
サマソニに行ったときのことを書きました。
どちらも屋外型のステージがメインながら、それなりに楽しんではいました。
しかし、やはり何か物足りない…。
それが正に、屋内型の会場で感じる濃密な音の響きです。
「おいおい!
東京ドームは屋根を閉めたら完全屋内だぞ!」
そう、その通りでしょう。
しかし、あれだけの大きさ(なんせスタジアムですから!)だと、ほぼ屋外型として見るべきと私は考えます。
それに雨天でないかぎり、屋根を閉じる保証はありません。
演出で花火をあげるかどうかはわかりませんが、やるとしたら屋根は開けることになります。
大きさの話しをしましたが、第一にデカすぎる会場がそもそも好きになれません。
ステージ目前の良い席を取れたら良いのですが、後ろの方はというと、ポツりとしか
アーティストを観られない。
音を聴きながら、気がつけば大きなモニターを見つめているというあの感じはあまりに寂しいです。
更には、公演を行う場所が東京のみというところも
なんで?ってなります。
東京ドームというスタジアムクラスの大きな会場1つで、ほかの地方には来ない。
大阪や名古屋、福岡と、公演にまわってもいい都市がほかにあるではないか!
私としては、1ヶ所あたりの会場の規模をもう少し小さくして関西にも来てほしい!
いや、確かに大きな会場で多数の客を集めて
ライブをした方が収益の面など都合が良いという事情はあるかと思います。
費用対効果ということを考えれば、小さな会場で数ヶ所をまわるより、大きな会場で遠くからでもたくさんのファンに来させるほうが効率良いという見方はできます。(実際にどのような事情かはわかりませんが…)
事実、海外の
アーティストが来日して
ライブする場合はこのあたり重要でしょう。
2016年の始めのころ、ブリング・ミー・ザ・ホライズンが、予定していた
来日公演を中止したということがありました。
当時、私はチケットを入手して楽しみにしていた中でのショックなニュースでした。
中止の理由はその前にバンドが出演を予定していたオーストラリアのSoundwave Festivalが中止になったことでした。
そのときの
来日公演は、このオーストラリアの
ロックフェスティバルとのセットであったようです。
やはり日本だけのためにコストをかけるというのは、おそらく費用対効果として不十分なのでしょう。
こういう例にもあるように、当たり前のことですが、
アーティストがどこかで公演を行うにも、できるだけ効率よく収益を得られる手段が重視されることがうかがえます。
それにしても!以前の来日では会場の1つに関西も含まれていたときがあったんですからね。
東京都内だけでやるにしても、
ZEPPであったり
STUDIO COASTみたいなところならいいと思うのですが。
大型の会場なら
幕張メッセやら
横浜アリーナのような、もう少しくらいは音楽ライブらしさのある会場なら、私は遠出してでも行くでしょう。
もちろん会場側のスケジュールもあるので無理な願いなのはわかります。
野球を批判してるわけではないですが、球場やその他の競技場というのは、どうも
ミュージシャンがライブをする場所としての品格が私には感じられないのです。
あのダダッ広いスースーした感じが…。
いくら超大物
アーティストに登り詰めたとはいえ、
コールドプレイが完全なスタジアムバンドになってしまったわけではないはずです。
実際、ライブ映像を見る限り、小型のライブ会場で演奏しているところも見受けられます。


ライヴ 2012(Blu-ray+CD)[→Amazon]──アルバム『マイロ・ザイロト』をひっさげ、マドリード、パリ、ロサンゼルス、モントリオール、グラストンベリーで行われたアリーナツアーを収録した映像作品。アートなステージでのライブを上質なカメラワークで観られる。──

ゴースト・ストーリーズ ライヴ 2014(Blu-ray)[→Amazon]──2014年にロサンゼルスのソニー・スタジオにて行われたライブの映像作品。アルバム『ゴースト・ストーリーズ』の曲を少数のファンの前で披露したライブは、小さい会場ゆえに濃密な世界を造り出している。──私が北欧のメロディックメタルにのめり込んでいた頃、とあるフィンランドのメタルバンドが来日したときに初めて彼らのライブを間近で観た感動。
ごく普通の小さなライブハウスながら、
あのときの興奮は忘れられない!最近はやはり、収益の問題があるせいか、多数の
アーティストが出演する大型のフェスティバル形式のライブが多くなった反面、好きな海外アーティストがこうして単独で来日することが少なくなった気がします。
メジャーなアーティストから、メインストリームではないアーティストまで、好きなアーティストが単独で来日し、ほどよい広さの空間でパフォーマンスするようなシチュエーション──。
数年前や一昔前にはもっとたくさんあったこのシチュエーションが懐かしいです。
そうですね…、
東京ドームという論点からはずれますが、せめてこういうライブイベントの東京一極集中はどうにかならないものでしょうか。
ライブのチケット代を上まわる交通費を出して来なければならない地方の人たちの気持ちも考慮してほしいです。
ツイッターもよろしく!↓https://twitter.com/ongaku_eiga 【追記】──いただいたコメントにより、
東京ドームの屋根が開閉式じゃないことを初めて知りました。
ドーム球場の屋根というとたいてい開閉式のイメージがあったもので、これは無知でした。
公演に行っていた人たちのツイッターのTLを見る限りでも、やはり楽しそうですね!
次はいつになるかわかりませんが、もし彼らの
東京ドームクラスの会場での
来日公演が再びあれば、そのときは食わず嫌いなく行ってみようかと思います。
やはりできれば、関西に来てくれるとありがたいですね。
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